腹筋運動は腰痛予防に効果あるの?
Q.「腰痛の予防のためには、腹筋を鍛えましょう」とよく言われますが、本当でしょうか?
A. はい。腰痛を予防&改善するために腹筋運動は有効です。
しかし腹筋と言っても、どの腹筋を鍛えるかが大切で、誤った腹筋運動は返って腰を痛めることもあります。
まず、こちらの解剖図をご覧ください。
プロメテウス解剖学アトラス 医学書院 より引用
どちらも腹筋の図ですが、腰痛予防の腹筋運動として効果があるのは、いわゆる「シックスパック」と言われる腹筋の象徴、胸骨から骨盤の前(恥骨)にかけて走行する『腹直筋』と、腹直筋の下層にあり「さらし」のように体幹を横へ包むように走行する『腹横筋』です。
『腹直筋』が腰痛予防に効果がある理由は、『反り腰』の姿勢だと腰痛になりやすいのですが、『腹直筋』が強くなると腰が反ることを防げるからです。
また、ぎっくり腰など腰を痛めた際は、コルセットや「さらし」で体幹を締めると楽になりますよね。『腹横筋』を鍛えることで自前のコルセットを強化することになるので腰痛を防ぐことができます。
逆にこの腹横筋が弱ると体幹で姿勢を支えることが出来なくなり、腰への負担が増すため、ぎっくり腰など腰痛を誘発することとなります。
さらに!上記の図をよく見ていただくとわかると思いますが、『腹直筋』は、おへその下で『腹横筋』の線維の下に入り込んでいます。まるでポケットに入れたように見えますよね!
これは、腹横筋が引き締まれば、縦に走る腹直筋を抑え込む、つまり下っ腹を引き込む作用となります。
年齢とともに下っ腹が出てくるのは、単に脂肪が増えたというだけでなく、体幹を支える腹横筋の筋力低下によるプロポーション崩れも原因ということです。
腰痛改善と体形崩れ改善のためにも腹筋を鍛えましょう!
腹横筋を鍛えるためにドローインエクササイズ
その腹筋運動は腰痛を引き起こす?