腰部脊柱管狭窄症と診断された場合、主な症状は腰痛に伴う下肢痛や痺れです。
間欠性跛行(かんけつせいはこう)といって、歩くと症状が強くなり、しゃがんだり、座ったりして休むと、痛みが緩和して歩くことを再開できるという特徴があります。
脊柱管とは背骨の中にある脊髄の通る管のことを指し、この管が加齢などの原因で狭くなり、神経を圧迫して下肢への症状を出すといわれています。
主に腰を反らすと狭窄が強くなり、腰を曲げると狭窄部位が広がり症状が緩和します。
立って歩いている姿勢は、腰が反っている状態なので、圧迫を受けた下肢への神経が血流障害を起こして痛みを引き起こします。
しゃがんだり、座ったりすると腰を丸めますので、狭窄部位が開いて神経への血流が回復し、症状も和らぐという仕組みです。
そのため、少し前かがみになって歩くと平気という方や、自転車ならいくらでも漕いで遠出できるという方が多いのはそのためです。

骨模型をみてわかるように、左写真のように背骨を反らすと脊柱管が狭くなり、神経(黄色)の出口も圧迫される。
右写真のように背骨を前に曲げると脊柱管も椎間孔も広がり神経への圧迫が解除されて血流が回復する。

症状がひどい場合は脊柱管を広げる手術の適応となりますが、自然と軽快するケースもあります。
これは脊柱管狭窄症と診断がついていても、痛みの原因がそれだけではなく、他の要因が強く影響していて生じている場合か、脊柱管狭窄症を原因としていても、運動などで患部への負担が軽減し、神経の血流が回復して症状が改善する場合が考えられます。

症状の程度によりますが、狭窄症と診断されても、よほどひどくない限り、半年ほどは運動や生活習慣の見直しなどで経過をみてみることをおすすめします。もちろん医師とよく相談した上で取り組んでください。
プール内での運動は、浮力と水圧により患部への負担を減らしつつ血流を上げるのでお薦めです。