腰部椎間板ヘルニアは背骨の骨と骨の間にある椎間板と呼ばれる組織が飛び出して神経を圧迫し、神経が腫れて痛みが出る病態です。
症状の程度は人によって様々ですが、一般的には腰痛、下肢痛、下肢の痺れ等が特徴です。
急性期は自発的な痛みも強く、座薬などの強い痛み止めや麻酔薬による注射などで対処する場合もあるほどです。
慢性期になると痛みや痺れだけでなく、筋力の低下や知覚異常も生じます。
日常生活では歩行困難、ひどいと排尿障害なども生じるので、重症の場合は手術で飛び出した椎間板を切除することもあります。
ただ、自然治癒するケースもあり、椎間板ヘルニアだからといって必ず手術しないと治らないというわけでもありません。
また、ヘルニアと病院で診断されても、実際はヘルニアを原因とした腰痛でない場合もあります。
まったく症状のない健常者でも椎間板ヘルニアがあるというデータもあります。
ポイントは椎間板ヘルニアが原因で神経に炎症が起きると症状がでます。
ですから、通常ヘルニアの投薬治療は椎間板ヘルニアそのものを直す処置ではなく、神経の痛みを緩和させる薬を処方されるわけです。
腰部椎間板ヘルニアの予防や改善策としては、該当する椎間板への負担を減らす作戦が有効です。
背骨は全部で24個あり、椎間板もその数に応じて存在します。椎間板ヘルニアになるということはその部分の椎間板にのみ過度の負荷がかかっていると考えられます。
負担を上手く分散することができれば、症状の改善や予防になりますよね。
では、なぜその部分に過度の負荷がかかっているかというと
①生活中の不良姿勢によりヘルニア部位の椎間板に過度の負荷がかかっている
②姿勢を維持する筋力の低下により、体幹部の支えが弱くなり腰椎への過度の負荷が加わっている
③胸椎や股関節の硬さにより腰部へ過度の負荷が生じている
④急な体重増加により負担が生じている
などが考えられます。
つまり、ヘルニア改善のために体幹の筋力をつけ、ストレッチで股関節と胸椎の柔軟性を上げ、減量をし、正しい姿勢を意識することが大切です。
とはいえ、1人でこれをやるのは大変なので、お近くの治療院へいってサポートしてもらいながら身体作りをしていきましょう。
胸椎の伸展運動
股関節のストレッチ